2015/06/07

【第4回】地方都市圏で、士業事務所をゼロから始め、組織として運営する6つの方法『集客体制を考える』

【第4回】地方都市圏で、士業事務所をゼロから始め、組織として運営する6つの方法『集客体制を考える』

集客の違い(個人的事務所に関して)


前回書きましたが、士業事務所が組織として運営するためには、ある程度の案件数が必要です。組織全体を養うだけの案件が必要になります。
まず、個人的事務所の集客について、説明いたします。
ここでは便宜上、代表者一人の事務所を個人的事務所※、雇用5人以上の事務所を組織的事務所と位置づけてみます。
※ここでは、配偶者が補助者のケースも個人的事務所に含んで考えます。
個人的事務所の場合、語弊はありますが、集客はシンプルだと思います。
いろんな方法があると思いますが、最も着実な戦術としては「代表者が自身をブランディングしながら、スピード対応、土日・深夜対応などの要素付加しつつ、人脈を駆使して獲得してゆくこと」が挙げられます。
個人的事務所は、代表者の一身専属的な事柄が戦略・戦術面での基礎的要素になることが多いですね。基礎的要素というより、原則的要素とも言えます。
また一人ですから、対応力も代表者の動き一つで決まります。
土日や深夜対応も自由自在。サービス設計もしかり。採算を度返しした戦術であっても、自分自身が深夜まで働いてカバーすれば何とかなる、という世界です。少なくとも、わたしの場合はそうでした。
人脈構築による営業戦略も採りやすい規模ですね。
コンサルティングサービスの提供を武器にする、或いはコンサルティングを主とする方法もありますね。
これらの過程や選択肢、手法について、シンプルといっても多種多様ではあります。昨今ではマーケティング会社の支援を受けた事務所が一歩先んじている傾向が強くなってきていますね。その辺はこの記事と趣旨が違うので、ここでは控えたいと思います。
ともかく個人的事務所の場合、集客という面では組織的事務所と比べてシンプルと言えます。
そして何よりも違うのは、案件を「年間、代表者自身が欲しいだけ受任すればいい」という点かなと感じます。
といっても、わたしが今、一人に戻り、案件を獲得できるか?と言われると自信はないです。
年間、どれくらいの案件を処理できるか?という別の命題も出てきますね…。

集客の違い(組織的事務所に関して)


では、組織的事務所ではどうでしょうか。雇用5人以上の事務所ですね。
雇用がありますので、毎月、給料という、実質的には固定となる経費が必要です。
また第三者に働いてもらうインフラとしてのオフィス、情報機器、打ち合わせスペースなども必要ですね。雇用があることで、これら以外でも実にさまざまなコストが発生します。
考える以上に維持費がかかる形態だと思います。
この形態では、代表者の魅力とか人脈とか、スピード対応、土日夜間対応など、個人的事務所で使えるものの多くが使えません。魅力、人脈は影響しますが、それで得る業務量はたかが知れていますし、安定性がありません。
土日夜間対応などは、現実的には難しいと言わざるをえません。代表者が全部動けば解決するのですが、そうはいきません(やる方はおられると思いますが)。
雇用した方にお願いするとなると、ローテーションでは調整がつかず、多くの場合、時間外手当などの人件費が発生し、経営が圧迫されます。
個人的事務所で使えるものの全部が使えないわけではないですが、「効果」「成果」という面では薄いと言わざるを得ないと思います。
士業事務所が組織として運営するためには、ある程度の案件数が必要です。組織全体を養うだけの案件が必要になります。
またなによりも、個人的事務所で時折見られる「意識していないけども、結果的に集客につながる策として機能していた」という、いわば「結果論的」な戦略、戦術ではなく、「理論を学んだうえで、意識して施策を実施し、高い確率をもって集客に結びつける戦略、戦術」が必要になります。
前回お書きしましたが、“棚からぼた餅”のような偶発的な案件の獲得方法じゃなく、「安定的に継続して案件を獲得する」ことが必要になるのです。

組織的事務所の集客方法


最後に組織的事務所の集客方法について、掘り下げてみますね。
士業のサービスは多種多様ですが、大きく分けて2つに分かれると思います。
すなわち、(1)単発系サービス(2)継続系サービスです。
安定的に継続して案件を獲得するということは、(1)単発系サービスでは、「組織を維持してゆくだけの案件が、毎月、毎月、平均的に発生してゆくこと」が必要です。
(2)継続系サービスでも、「毎年一定の新規契約数が発生すること」が必要です。これは拡大思考を採るか採らないかによらず、顧客は毎年純減してゆくものだからです。
士業の特性、事務所の方針によっては(1)と(2)の組み合わせ、つまり「(1)をフロントエンドサービスとして位置づけ、毎月平均的に発生させてゆく仕組みを構築しながら、(2)が毎年一定数発生する枠組み」を備えることも必要になります。
これを、代表者の魅力や人脈で得る、作り出すのは困難ですよね。
それらとは違う何かが必要となるのが、組織的事務所の集客だと思います。
個人的事務所で、組織的事務所のような戦略や戦術を採っている方も全国には多々いらっしゃいますが、すごいと思います。わたしの場合はできませんでした。
組織的事務所は「理論を学んだうえで、意識して施策を実施し、高い確率をもって集客に結びつける戦略、戦術」、一言でいえば「集客の仕組み」が必要になると考えます。
ある程度、戦略的に考えて、戦術として落とし込んだ“仕掛け”です。
仕掛けとか獲得とか書くと「狩り」のようですが、実際は“農耕型”にならざるを得ません。地方の市場はどんな分野であっても、上限がありますね。
なお、士業はマーケティング施策の面で見ると、立ち遅れた業界といわれています。士業が提供しうる手続等について誰もサービス提供していなかったため、歴史的に顧客が自社でせざるを得なかったという分野はまだ残っています。
マーケティングの知識を得た状態で、そのような分野を見つけ出し、ニーズを掘り出し収益化してゆくことも、無理なことではありません。地方都市圏の士業界の特長の一つと言えるでしょう。
組織を安定的に維持し、発展させてゆくためには仕組みが必要です。
その仕組みを作り出すには、代表者一人では難しい場面が出てきます。
事務所の構成員の中に、集客を担当、補佐する人間を配置する必要性も出てきます。
経営的には間接コストです。
ちなみに、総務的なコストも出てきます。
そのこれら間接コストを吸収するだけの安定的な受任を達成するだけの集客体制を築くことができるかどうか?
「部署」という考え方も必要でしょう。最近は、営業職の部署を置く手法も採られていますね。
前述の「見つけ出し」「ニーズを掘り出し」「収益化してゆく」ことを行うのであれば、市場調査が必要となりますので、分析、サービス設計、集客施策の実施などで、膨大な作業が発生します。この場合、代表者一人では難しいでしょう。市場調査が不十分な状態での見切り発車は、毎月のコストが多い分、致命傷になる可能性があります。
これらすべてがうまく連動、連携して初めて組織として継続してゆくことができると思います。組織といっても一般の企業に比べると小さい所帯が大部分です。士業界は歴史的に見て、個人的事務所の集まりでしたので、組織的事務所で求められる「役割分担」に慣れていません。
一つひとつの「部署」はその内容、分掌、行動どれをとっても脆弱な構造と言わざるをえないと思います。集客という面だけで、シンプルに捉えることが難しいです。組織構造そのものが試されます。
組織的事務所はこういう意味で、個人的事務所のシンプルさとは違う難しさがあると思います。
以上、地方都市圏で士業事務所をゼロから始め、組織として運営してゆきたい方の参考になれば嬉しいなと思います。
 

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