2018/05/22

士業事務所の採用のリアル ~退職率80%からのスタート~

<第1回>経験者中心採用から理念共感型の採用で退職率0%へ

<第1回>経験者中心採用から理念共感型の採用で退職率0%へ

退職率0%事務所を運営している渡邊勝也氏に、士業事務所の採用のリアル・理念経営について伺いました。

プロフィール 渡邊 勝也

税理士法人TAXGYM 代表税理士

本気の経営者を本気で支援したいと思い28歳のときに大原専門学校に通い、35歳のときに税理士資格を取得。
都内の税理士法人にて社員税理士を経験後、税理士事務所を設立し、東京と仙台で税務調査に特化して事業を展開する。
現在は、選択理論心理学をベースにした人軸経営(あり方)とMQ会計をベースにした日次決算(やり方)を自社で実践し、退職率を劇的に減少させ、毎年最高利益を更新している。
この人軸経営(あり方)と日次決算(やり方)を多くの会社に広めて、QUALITY COMPANYを増やして、日本を強くて健全な国にする活動を行っている。

【会社概要】
税理士法人TAXGYM
【ホームページ】 http://taxgym.jp/
【Facebook】 http://www.facebook.com/taxgymstrong
【税務調査110番】 http://taxgym.jp/zeimu/
【査察110番】http://taxgym.jp/sasatsu/
【税務調査ブログ】 http://ameblo.jp/wm-tax/

【趣味】
ベンチプレス
公式記録200kg
2014年 アジアクラッシクベンチプレス大会 93kg級 日本代表選手
2016年、2017年 世界クラシックベンチプレス大会93kg級 M1(40歳以上)日本代表選手

対談スタート

退職率ゼロに出来た理由とは

【ミカタ編集部】 
税理士法人クオリティ・ワン代表の渡邊勝也先生にお越しいただきました。渡邊先生は税理士の業界で、「税務調査といえばクオリティ・ワン」と言われるようなポジションまで行き、今では月間20件の税務調査の立会いをされています。DVDなども出版されており、『実録税務調査ロールプレイング』は、経営者、税理士向けに2013年度最も売れたDVDの一つでもあります。他、日本合理化経営協会から『税務調査対応の実務』も出版され、出版初月のランキングが1位と、たくさん売っている先生です。本日はよろしくお願いします。まず初めに、渡邊先生のプロフィールを教えていただけますか?

【渡邊氏】 
よろしくお願いします。1973年生まれ、現在44歳です。独立したのは36歳の時で、今ちょうど創業から8年目になります。創業当初から税務調査に特化し、ウェブの「税務調査110番」というランディングページで全国から税務調査のご依頼をいただきました。2年で税務調査の売り上げ5000~6000万円になり、従業員も8名になりました。現在東京と仙台の2か所合わせて従業員20名になっています。税務調査の依頼を受けたお客さんを中心に顧問契約や、MQ会計、日次決算というのをベースに経営の支援をさせていただいております。

【ミカタ編集部】 
二年目から従業員を8名雇われているのはすごいと思います。渡邊先生の採用の仕方や、採用してどうやって従業員に定着してもらうのかということを教えていただけますか。

【渡邊氏】
初めのころはお客さんがどんどん増えてきて、仕事が溢れて採用という形でした。経験者中心に、私が面接をして気に入った人、具体的には、この人は体育会系っぽく、かつ働けるぞ、という人を中心に採用していました。しかし残念なことに創業4~5年目の退職率は激しく、常時半分は1年間で辞めていくような事務所でした。創業5年目は僕自身が仙台に事務所を構えてそちらに住んでいたこともあり、東京オフィスの退職率は80%でした。東京オフィスの代表社員が辞めるくらい離職率が高かったです。

【ミカタ編集部】 
そこからどのように改善していったのですか?

【渡邊氏】
なぜ辞めるのかと考え、お給料も安くないと思うレベルだったので、辞める理由はお金ではないのだろうなと思いました。その時に理念経営ということを教わりました。僕ももともとコンサル会社にいたので「理念では飯食えないよな」と思っていました。
しかし、僕自身がなぜ税理士になったのか、何のために誰のためにこの仕事をしているのかということと向き合ったとき、自分の理念が明確になり、会社の理念が明確になりました。そこで、同じようにメンバーにも人生の目的・理念があるということに気付きました。
メンバーになぜ居てもらわないといけないのか?メンバーに何を成し遂げてもらいたいのか?それをメンバー全員と共有ることによって徐々にメンバーとの距離感が近くなりました。
ありがたいことにその後2年半退職率ゼロになりました。採用も、僕が決めるというより、1次試験で僕が面接をし、事前に課題、例えば「脱税したいという方がいます。その人に対して、もしあなたがクオリティ・ワンの1メンバーとして関わるとしたら、どうしますか」というようなものを出します。2回目の面接はうちのマネージャー、現場のリーダーが面接します。「なぜあなたはクオリティ・ワンに入りたいですか」という理念プレゼンテーションをしてもらい、逆に従業員の方からは「クオリティ・ワンの良さ」をプレゼンテーションします。3次面接は、面接を受ける人にクオリティ・ワンに入りたい理由を再度言ってもらい、逆に僕が「なぜあなたにクオリティ・ワンに入ってもらいたいか」というプレゼンテーションをし、最終的に採用するという形に変わりました。

【ミカタ編集部】 
理念がどのようなものなのかも気になりますが、そもそも人が来ないという事務所も多い中、どのような取り組みをなさっていますか?

【渡邊氏】
確かに創業5年間は経験者を中心に採用したので、1回募集して平均5人くらいでした。それを経験ではなく、どんな「人生の目的」を持った人を採用するか?という「理念型採用」に変換しました。税理士経験者、会計業界専用の求人媒体ではなく、一般的な未経験者が応募するようなメディアに変えたところ、2週間募集して大体100人くらい応募が来て、その中から面接をすることになったので、本当に理念に共感してくれる人が来てくれるようになりました。そのための組織づくりとしては、未経験者でも育つような環境を作っていきました。具体的にはチェックリストやマニュアルを充実させ、教えるということの評価を上げ、育てる文化をクオリティ・ワンに醸成させました。

クオリティ・ワンの理念と個人の理念を一致させる


【ミカタ編集部】 
今どのような理念を掲げていらっしゃいますか?

【渡邊氏】
「税務・会計・経営を通じて、強くて健全な価値あるものを創造・支援して残します」ということをクオリティ・ワンの理念としています。

【ミカタ編集部】 
実際に先ほど渡邊さんご自身がおっしゃっていましたが、「理念経営で飯が食えるのか」という考えもあります。どのあたりから理念経営を採用していけるようになったのですか?

【渡邊氏】
僕自身ずっと今まで目標達成のためだけに命をかけてきました。例えばアメリカンフットボールやベンチプレスなど競技をしていたので、「相手に勝つ」「メダルと獲る」。勿論、目標を達成したときはすごく気分が良いですが、時間が建つと虚無感と孤独感があることに薄々感じてきていました。
しかし、その原因分からないまま、「もっと目標達成していけば自分の成功がある」と思ってひたすら高い目標を目指していましたが、やはり答えが見えていない。そのとき、ある学びを通じて目に見えるものだけでなくて、目に見えないものがあるんだと学びました。
よく「居酒屋甲子園」を見ていて、とても感動して泣いている姿を見て、「わざとやっているのかな、おかしいよね」と思っていました。でも、それはみんなの気持ちや思いという、目に見えないものがあるからだと気付き、「自分たちはなにを目指していくのか=人生の目的=人生の理念・ビジョン」という目に見えないものをいかに目に見える形にして実践していくかを考えるようになりました。目に見えないからこそ大切であり、だからこそ目に見えないままにしておくのではなく、目に見えるものにし、実践していく。
そこに感動があるのだとわかりました。これが自分の中の経営の転換点でした。

【ミカタ編集部】 
気付くタイミングがそこだったということですね。

【渡邊氏】
本当に苦しんでいたので、多分求めていたんだと思います。だから目に見えないものの価値を知ったときに「これをすぐに実践してみよう」と思いました。

【ミカタ編集部】 
今スタッフさんが理念に共感して、それに向かって長く続けてもらうために、具体的にやっていることはありますか?

【渡邊氏】
まず個人自身に個人の理念を持ってもらうようにしています。個人で理念とビジョン、目標を持って日々の実践に落とし込む。そして、個人の理念とクオリティ・ワンの理念のすり合わせをしてもらっています。クオリティ・ワンの理念と個人の理念が一致すると、仕事が自分の人生そのものになる。そして、私はその理念の一致は解釈だから絶対にすり合わせできると思っています。
例えば世界平和が個人理念のメンバーが、クオリティ・ワンの経営者に物資豊かになるような商品を提供して、経営者のメンバーも物心豊かになっていく。物心豊かになった先には、絶対いじめ差別虐待がない平和な世界がある。だからクオリティ・ワンでこの理念を追い求めていることは、自分の世界平和という理念実現につながる。クオリティ・ワンが自己実現の場であれば、自然と自分の成功=クオリティ・ワンの成功になる。だから、そのすり合わせのお手伝いをし、メンバーの自己実現を経営者として助けていくことが私の役割だと思います。

【ミカタ編集部】 
入社した際に一人一人が理念を持っていることは、一般的にはなかなかないと思います。そうするとまず理念を考えてもらって、そのすり合わせをするというところから始まるのでしょうか。

【渡邊氏】
そうですね。今までの採用は「見極める採用」でした。「この人のスキルはこれくらいだから、どれだけ役立って、いくらで採用するか」ということを見ていました。今は、スキル等ではなく「この人の人生の目的=理念・ビジョンはなにか」「この人の持っている可能性はなにか」「この人が理念を持ったらどれだけ素晴らし活躍をするのか」という、面接を受ける人の可能性を育てるという面接に変わっていきました。

【ミカタ編集部】 
最初は損得で判断していたように聞こえたのですが、今は損得ではなく「尊」「徳」のような、本当にその人を敬っていて、どれだけその可能性を広げていけるかという別の「尊徳」に変わっていらっしゃるのだと感じました。





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