2017/10/31

ドラゴンクエストでのAIの進化から考える士業とAIの今後の関わり方

ドラゴンクエストでのAIの進化から考える士業とAIの今後の関わり方

テクノロジーの進化は日進月歩であって目覚ましいものがあります。あなたが普段何気なく持ち歩いて使用しているであろうスマートフォンやタブレットも毎年何回も新型モデルが発売されるものもあるなど、テクノロジーの進化のスピードは私達の想像よりも遥かに早いというのが現実です。

また現在ITの世界で最も開発が隆盛になっているの分野として、AI(この記事ではイメージしやすいということから人工知能として考えることにします)の開発競争が挙げられるでしょう。ここではAIの簡単な説明から、AIが今後どんどんと高度に進化してくことが確実な社会構造の中で士業は一体どのようにかかわっていくべきなのかについて見ていくことにしましょう。

1.ドラゴンクエストから見るAI(人工知能)の進化を理解してみよう

AIと聞いても、多くの方は一体どのようなものなのかをなかなか理解することができないのと思いますので、ここでは皆さんがご存じの身近なゲームの例を挙げてAIについて説明していくことにします。

国民的な人気ゲームのドラゴンクエストシリーズには任天堂のファミリーコンピューターで発売されたナンバリングタイトルの「ドラゴンクエストⅣ~導かれし者たち~」から戦闘時に作戦をプレイヤーが決めることができ、プレイヤーが決めた作戦に則ってAIが自動で戦闘時のコマンドを決定してキャラクターが行動するというシステムが採用されることになりました。ちなみにドラゴンクエストⅣが発売されたのは1990年と今から27年も前になりますから、そのころからAIという概念があったということになりますね。

実際当時はキャラクターが自分で考えて行動をするなどということは家庭用ゲーム機では想像もされていなかったので大変話題になったわけですが、当時のAIは現在のAIと比較すると非常にお粗末なものでした。(それでも当時はみなさん熱中したわけですが)例を挙げますと、ゲームの中に僧侶のクリフトという回復魔法が得意なキャラクターがいるのですが、このクリフトのAIの思考がとんでもないものでした。

AIは人工知能と訳されるように、本来は行動を学習して進化をしていかなくてはAIとしての価値がないわけですが、クリフトのAIは行動を学習することなく(本来は学習機能が搭載されているはずなのですが、プレイヤーにはとても学習機能が搭載されているとは思えない行動をとっていました)ひたすら無駄な行動を繰り返してしまうおバカなAIだったのです。何しろストーリー上で出てくる重要なボス的に絶対に効果があるはずのない即死呪文(ザキ、ザラキなど)を最初のターンで必ず唱えるという迷惑な行動で多くのプレイヤーがクリフトのトンデモ行動に悩まされたものです。

そのドラゴンクエストⅣも何度が進化をして他のゲーム機にリメイクされて移植されるたびにAIはより人間らしく進化していきますのでオリジナルで問題の大きすぎた、おバカなクリフトの行動も徐々に改善されていき、現在発売されているリメイクの最終形態では効果のない即死系呪文はAIに行動を任せた場合には使用しないようになりました。今年(2017年7月29日)に発売された最新作の「ドラゴンクエストⅪ~過ぎ去りし時を求めて~」ではAIはかなりの進化を遂げており、強力なボス的以外であれば、ある程度はプレイヤーの思い通りに行動してくれるようにはなっていますので(無駄に大技を使用してイラっとさせることはありますが)、ゲームといった本来は余暇のために使用される分野のAIであっても、かなり進化していることがわかるのではないでしょうか。
ただし、あくまでもゲームですから、全てをAIにゆだねていればゲームがクリアできるといったところは、本来の技術革新からすれば可能なのでしょうが、プレイヤーの主体性を奪わないためにもある程度の部分で思考を抑えてるようにプログラムされているのだと思われます。

2.ディープラーニングこそがAIの要である

AIで最も重要となるのは、思考の正確性であるということは間違いないでしょう。我々人類の代わりとして社会で役に立つ人工知能が思考を正確にできないようであれば、人を雇用する以上に高額なコストがかかるだけで、わざわざAIを使用する意味を見出せなくなってしまいます。そのためにも、AIを使用したシステムで最も重要なのが学習行為(ディープラーニング)と呼ばれるものになります。

ディープラーニングの手法は色々とありますが、現在の代表的な手法はプログラムライブラリ化されてますので、学習項目・データと学習パラメータを決めてライブラリに問い合わせを行い、返ってきた結果をデータ化すれば、ディープラーニングと頭脳は出来上がります。ディープラーニングと頭脳の完成には難しいコーディングは不要になっています。最近では、顔認証などに代表されるようなAIのクラウド化も進んできているようです。むしろ手法以前のAIに詰め込もうと考える、大量の学習項目・データを決めて作る方がはるかに大変な作業になると言われています。

基本的には、「質問項目、要素」➡「期待される結果」の羅列がディープラーニングと頭脳の基礎になります。

以下は一例ですのでどのようなものなのかを確認してみてください。
例1)
〇質問1「戦国時代から安土桃山時代にかけての武将・戦国大名。尾張国(現在の愛知県)の古渡城主・織田信秀の嫡男は誰か?」
答え「織田信長」

〇質問2「戦国時代から安土桃山時代にかけての武将・戦国大名。天正10年6月2日(1582年6月21日)、自身の重臣であった明智光秀に謀反を起こされ、本能寺で自害したのは誰か?」
答え「織田信長」

〇質問3「戦国時代から安土桃山時代にかけての武将・戦国大名。織田信長に見出されて重臣に取り立てられるが、本能寺の変を起こして信長を暗殺したのは誰か?」
答え「明智光秀」
この質問と答えを対にして機械的に登録(学習)すると、「織田信長」と「明智光秀」の知識を得たことになり、

例2)
ユーザの質問「戦国時代の大名と言えば誰か?」
AIの回答「織田信長」66%(2/3)、「明智光秀」33%(1/3)
ユーザの質問「信長を暗殺したのは誰か?」
AIの回答「明智光秀」100%(1/1)

上記の例のように、どれだけ言葉や数値データの情報が登録されたかによって、ユーザの質問に対して1つの回答・複数の回答を確率で導き出すことは可能になります。
偏った質問と答えをセットで登録するとユーザへの答えも必然的に偏ったものになりますので、ユーザの質問に対して最適な答えを導き出すためにどういう質問と答えを対にして登録するかということが、非常に大切になってきます。現在は例1のことをディープラーニングと、例2のことを人工知能(AI)、と一般的には呼んでいるようです。

3.AIと士業の関わり方は2つのパターンにわかれるのか?

ある程度AIの知識が頭に入れられたところで、そろそろ士業とAIの関わり方について考えていくことにしましょう。関わり方を考える前にまず、あなたに質問をいくつか投げかけますので、質問1つを5秒ほど考えて答えを思い浮かべてみてください。

「士業って絶対に必要な業種でしょうか??」
「今のあなたの行っている業務は本当にあなたでなければいけないものでしょうか?」

さてこの2つの質問にあなたはどのような答えを思い浮かべたでしょうか?士業が絶対に必要な業種だと思ったあなた、今の仕事は自分でなければいけないと思ったあなたは、残念ながら、現在の日本の社会制度に毒されている可能性が高いと言えるでしょう。士業はそのほとんどが国家資格だということからも、ついつい有資格者になって仕事をし始めると、先生と呼ばれることが多くなり、自分自身が偉くなったのではないかといった錯覚に陥ってしまう方が一定数存在しています。

ですが、実際は偉いわけでもなんでもありません。あなたがたまたま専門知識を持っていて、国がその知識を持っている人間に国家資格という権威を与えているからこそ偉くなったような気分になるだけで、単なる錯覚なのです。あなたが士業は我々のような試験合格者しかできない特別なものだと考えているのであれば、ディープラーニングを発達させてAIが登場した場合には、あっさりと駆逐されてしまうでしょう。

実際に現在のAIの進化のスピードはすさまじく、将棋や囲碁、チェスといった頭脳戦においてはもはや人間は対抗することが厳しくなってきています。将棋や囲碁、チェスのように何千通りといった戦略が考えられる中から1つを選択して人間に勝利するのですから、そのようなことができるAIにとっては一般人には困難な事とは言っても定型化されており、数もそこまで多くない士業の業務などは記憶をさせることができればあっさりと、あなたを超えることができると言えるでしょう。何しろ人間の記憶力には限界がありますが、システム上AIには記憶の限界というものは存在しないわけですからね。

ではAIが進化する社会でどのように士業としての立場を確立するのかについて、以下に2つの可能性を挙げてみますので参考にしてみてください。

3-1.書類作成業務をばっさりと捨てて、人間でしかできないことだけに特化する

いきなり極端なことを言ってるなと思われるかもしれませんが、書類作成業務であれば、例を数多く記憶させてしまえばAIは間違いなく、あなたよりも早く書類を作成することができるようになるでしょう。早さにおいて人間がAIなどのテクノロジーに及ぶことは不可能と割り切って、人間であるあなたでなければできないことに特化することも1つの方法ではないかと思います。

では一体人間にしかできないことというのは何になるでしょうか??

ズバリ、それは相手の話を聞くということです。

例えば弁護士であれば、裁判に持ち込んだ方が効果的か否かを弁護士のあなたであれば瞬時に理解できるようなことでも、裁判とは普段は無縁である一般の方はトラブルが発生した場合に、一体どうすればいいのが本当に不安になって迷っています。そのようなときに、あなたが真摯な気持ちと態度で話をすべて聞いてあげることで、最終的にはあなたのお客様となってくださる可能性は非常に高くなるでしょう。

士業は仙人のように霞を食べて生きているわけではありませんから、相談料金を取る必要性はあるとは思いますが、相談時間を30分または1時間などといったように、相手がどのような話をするかを理解していない段階から時間制限をしてしまうと、一般の方は時間の中で話さなければいけないといった強迫観念にさいなまれてしまい、焦りで本人が本当にあなたに訴えたかったことが話せないまたは要点が抜けた状態で話してしまったといったことも起こりえるでしょう。お金をいただいている以上は、目の前にいるお客様のことを全力で考える姿勢で時間を制限することなく相手の気持ちを聞くことで、あなたに対する印象は劇的に良くなっていくことでしょう。

ここであなたはAIでもアンドロイドのような存在であれば話が聞けるのではないか?と疑問に思うかもしれません。確かに人型のアンドロイドにAIを組み込みディープラーニングを深化させていくことで、話を聞くことだけは可能となることは間違いないでしょう。

しかし、話をしたいと考える人間が重要視するのは、単に話を聞いてくれるということだけでなく、人間だけにしか持ちえない感情的な温かみも必要とされているのです。特に、士業に相談しなければならないような重いテーマの場合には、人間から感じられる安心感も相談する相手を選ぶ大きなファクターになるのだということを覚えておくといいのではないでしょうか。書類作成業務といったデータの蓄積だけで誰でもいいものではなく、あなたの個性が最大限に発揮される分野に絞ることもAIが進化してくる現在には必要性が高い考え方であると言えるでしょう。

3-2.自分自身の国家資格を否定することから始める

1つめでは、人間とAIの個性を理解して、人間でしかできないことに特化することで差別化を図ることを提案しましたが、2つ目は全く真逆のアプローチということになります。まずは、あなたの所有している資格を否定してみましょう。

自分が弁護士、司法書士、行政書士、税理士、社会保険労務士であることから脱却できなければAIを利用して、新しいサービスを生み出すといったイノベーションを起こすことは非常に困難であると言えるでしょう。士業は必ずしも社会生活を送るうえで絶対に必要な業種ではないと、変革を起こそうと考えるあなた自身が確信することで、そこからお客様の目線に立って、あなたがこれまで行ってきた業務をいかにしてわかりやすく簡略化・平易化し、効率よく提供し、また年中無休で24時間365日サービスを提供できるかを真剣に考えていけるのではないでしょうか。

あなた自身が上記の3-1で述べたように、AIではできないことに特化することが自分は難しいと考えるのであれば、逆にAIに対抗しようとするのではなく、AIを上手に事務所の業務の中に組み込むことで、お客様の満足度を飛躍的にあげることができる方法を考えてみてください。

4.最後に~士業もAIの進化からは逃れられない~

これまでも述べてきましたが、AIの進化は日進月歩であり、その進化が止まることはないでしょう。テクノロジーは進化をやめた瞬間から退化が始まりますので、10年後、いや5年後であっても全く異なった状況になっていることも十分に考えられます。実際にスマートフォンが普及したスピードを考えてみれば、あなたも如何に自分の生活環境がここ数年の間に激変したかが、よく理解できるはずなのです。

AIの進化と深化が進む中でも、あなたが士業として確固たる地位を占めるためには、一度これまでの価値観をすべて破壊してみるといった勇気も必要であることを理解していただけたらと思います。実際に今年(2017年6月末)に、日本初のAI展示会が東京ビックサイトで開催されており、そこでは「AI弁護士」というものを展示されていたのですから。

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