2017/09/30

失敗しない税理士開業マニュアル

失敗しない税理士開業マニュアル

皆さんは、税理士と言う士業の資格を知っている方がほとんどだと思います。税理士業界は、現状厳しい世界であると近年言われるようになってきました。税理士として開業をするにも、まずは税理士と言う試験に合格しなければならない他、その開業して成功していく為には、どのような事が必要なのでしょうか。

1.まずは税理士試験を突破する

1-1.受験資格がある

税理士になる為にはまず、行政書士や司法書士のように、何も問われないと言うわけではなく、試験を受ける為にも少し条件があります。実は、この受験するにも受験資格があると言う事実を知らないと言う方が過半数なのです。

とある全国アンケートによると、回答数500に対し、知っていた方が190名ちょっと。知らないと答えた方は300名を超える結果が出ています。ですので、まずは受験資格について解説を行っていきましょう。

分類で分けますと、「学識」「資格」「職歴」「認定」の4つです。

国税庁によると、受験資格を満たす為には、上記4つの内、以下のいずれか1つに該当する必要があるとされています。

【学識】
・大学・短大または、高等専門学校を卒業した方で、法律学、または経済学に属する科目を1科目以上履修した方
・大学3年次以上の学生で、法律学、または経済学に属する科目を含めて62単位以上を取得した方
・専修学校の専門課程を終了した方等で、これらの専修学校等において、法律学、または経済学に属する科目を1科目以上履修した方
・司法試験に合格した方
・旧司法試験の規定による司法試験の第二次試験、または、旧司法試験の第二次試験に合格した方
・公認会計士試験の短答式試験の合格者
・公認会計士試験短答式試験全科目免除者

【資格】
・日本商工会議所主催簿記検定試験1級合格者
・社団法人全国経理教育会主催簿記能力検定試験の上級合格者
・会計士補
・会計士補となる資格を有する方

【職歴】以下6つの事務、または、業務に通算2年以上従事した方
①弁理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、不動産鑑定士等の業務
②法人、または事業を営む個人の会計に関する事務
③税理士、弁護士、公認会計士等の業務の補助の事務
④税務官公署における事務、またはその他の官公署における国税、もしくは地方税に関する事務
⑤行政機関におかえる会計検査等に関する事務
⑥銀行等における貸付け等に関する事務
以上の6つ中に該当する必要があります。

【認定】
・国税審議会により、受験資格に関して個別認定を受けた方

以上の4つに分類された中に該当していなければ、受験すら受ける事ができないのです。受験自体が難関だと言われる上で、このように受験をする為にも資格を設けられていると言うのは意外だと思われる方も少なくないのではないでしょうか?更に、これらを証明する為の書類も求められます。ちなみに、これらの受験資格は必要ですが、年齢や国籍等に関しては制限されていません。


ではなぜ、税理士は国家資格であるにも関わらず、このような受験資格が設けられているのでしょうか。

これは、税理士の更に上とも言える公認会計士と言う資格がありますが、実は公認会計士と言う国家資格を持っている方は、税理士の仕事をする事が可能なのです。しかも、公認会計士には税理士のような受験資格はありません。

つまり、どういう事かと言うと、公認会計士になる為の試験において、短答式試験と言う基礎の知識が問われる試験が行われています。ここで落とされると言う事は、受験資格がないと、言い換える事ができるわけです。

つまりは、税理士は公認会計士試験の基礎だと言う事もできるでしょう。ただ、決して税理士の資格が公認会計士と比較して価値がないというわけではありませんので勘違いはしないようにしてください。

1-2.資格合格への近道とは?

上記では、受験資格について解説させて頂きましたが、これらのような事をクリアしないと受験すらできないとなると、受験を考えた方であったとしても、ここで諦めてしまう方も多いと思われます。

しかし、どうしても税理士になりたいと思うのであれば、受験資格の中でも現実的で、且つ近道だと言える道も存在します。

まず上げられる事は、職歴です。2年間と言う期間は必要ですが、その業務を行う事によって、受験資格を得る事ができますので、仕事をしながら実務を覚え、給料を得て生活をする事も可能ですから、現実的な方法の1つだと言う事ができます。

次に、高等専門学校以上の学校を卒業する方法です。勿論、すでに社会人となられている方にとっては、今から学校に通うと言う事は難しいと言う方も多くいらっしゃると思います。

しかし、新たな学歴を作ると言う意味では、無駄ではないと言う事もできます。

次に上げられる近道は、上記で紹介している公認会計士の試験を受ける事です。公認会計士試験には税理士試験と違って受験資格がありませんし、公認会計士となれば税理士の業務は必然的に行う事が可能ですし、更なる収入を見込むチャンスです。

しかし、税理士試験が難関だとされているわけですから、公認会計士の門はもっと難関であると推測できる為、相当な覚悟と勉強量が必要になると予想されます。

次に簿記検定の合格です。日商簿記認定1級、もしくは全商簿記上級に合格する事ができれば、受験資格を得る事ができます。公認会計士試験の受験、簿記検定の資格を取るにしても、ある程度は日常生活を犠牲にして勉強の時間を確保するという覚悟は必要だと予想されますが、絶対に無理と言うわけではありませんので、興味のある方は是非トライしてみることもいいのではないでしょうか。

1-3.税理士試験

実は、税理士試験と言うのは、一回で全ての科目に合格する必要はありません。これは意外だと思われる方も多いのではないでしょうか。司法試験、公認会計士試験、行政書士試験等が1年に一回行われ、そこで合格しなければ翌年に受け直さなければならないのに対し、税理士試験は一回で全ての科目に合格する必要はないわけですから、何年かかけて合格すると言う事も可能なのです。

ですので、税理士試験合格を目指す際には、しっかりと事前に作戦を練ってから合格への道へと進んでいきましょう。

ただし、税理士試験に合格したとしても、2年以上の税務に関する実務経験が必要であり、この実務経験がなければ税理士として登録する事はできません。まずは、税理士試験に合格し、税理士事務所にて勤務をする形が一般的だと言えます。科目は全てで11科目となっており、その内5科目に合格する必要があります。

2.税理士の開業について

ここまでは、税理士なるまでの具体的な事柄について解説をさせて頂きました。

では、実際に税理士試験に合格し、一定期間税理士の実務をこなした上で、独立開業をしようと考えている方にとって、必要だと思われる情報を解説させて頂きたいと思います。

まず、ここまでの解説で分かって頂けたと思いますが、税理士になるのは資格業界の中でも難関です。その為、何年もかけて資格をやっと取り、それだけ苦労を重ねたのだからと、取得すれば全てが上手く行くと安易に考えている方も少なくありません。

しかし、今記事の冒頭でもお伝えしたように、税理士業界は現在、厳しい状況下にあります。税理士が増えている事も要因の1つですが、不況の煽りも受けている事も事実です。苦労して得た資格を活かし、開業してから成功をする為には、更なる努力が必要であると言う事を、まずは頭に入れておくべきだと言えるでしょう。一昔前であれば、長年の人脈や、取引等から、顧問先をお持ちのベテラン税理士もいます。

しかし、このような経歴がある方であっても、近年では顧問先が減少傾向にあると言うのが税理士業界の実態なのです。つまり、これらの方の顧問先が減少していると言う事は、これから税理士資格を取っていずれ開業される方は、もっと厳しい状況を考えておかなければならないと言う事なのです。資格を取ったからといって安心せず、その先に開業を考えられているのであれば、資格取得以外の税理士と言う業界の現状を把握し、将来性についても視野に入れて対策を講じておかなければならないと言う事です。

2-1.税理士の業務とは

では具体的に税理士は、どのような業務を行って報酬を得ているのでしょうか。一般的には、単一で得た業務に関しては、それに対する対価として報酬を貰いますし、顧問先がある場合は、顧問料も貰う事になります。

税理士の業務は大きく分けて3つに分類することができます。まず1つ目が税務に関する書類等を、企業側に代わって税務署に申告したり申請する業務であり、これらの業務を税務代理業務と言います。次に2つ目が、税務に関する書類作成です。企業側に代わり、専門的な税務に関する書類を作成する業務となっており、税務書類の作成業務と言われています。そして3つ目が、税理士として、税務に関する専門的な相談を受け、アドバイスを行う業務です。

具体的には、以上の3点が税理士の業務内容となります。
次に、顧問契約についてですが、これは企業の顧問となって、税務関係等のあらゆる仕事やアドバイスを行う事が業務内容となります。上記で上げた3点に加え、顧問となるわけですから、顧問先の企業が尊属し、上手く経営していけるよう、税務面からあらゆるサポートをする必要があります。この顧問契約の事を、顧問税理士制度と呼びます。顧問契約の場合の報酬については、年間で契約する場合や、数ヶ月で更新するスタイルを取る税理士が見受けられますが、企業が得た年間の売り上げや利益によって顧問料にも変動が見られるのが一般的です。

2-2.開業して成功する為にはどのような認識が必要なのか?

税理士の業務に関する事柄については、2-1で申し上げた内容です。その中でも、最も重要だと思われるのが3つ目の税理士として、税務に関する専門的な相談を受けたりアドバイスを受ける事ではないかと推測されます。これは、顧問契約をしていなくても、行った方が良いでしょう。

なぜかと言うと、税理士の資格を有してから、登録をするまでにも2年の実務経験が必要なわけですから、上記で挙げている1つ目の税務代理業務と、2つ目の税務署類作成業務に関しては、税理士であれば誰でも出来ると思っておいた方が良いからです。依頼者が、どの税理士や、税理士事務所にお願いするかどうかについて、税理士としての業務を行う事は、報酬を渡す上で当たり前の事です。

しかし、相談をしたり、アドバイスをすると言う事は、税理士としてだけではなく、人間性やコミュニケーション能力、コンサルティング能力までをも問われるからなのです。税理士業界は、厳しい時代だと何度も申し上げていますが、不況の煽りを受け、顧客となる企業側も年々不景気となり、減少傾向にあります。この打撃を受けた結果、税理士が増えているのに対し、企業側の経営が上手くいかなくなってくると、当然の事ながら依頼される数も減ってしまいます。開業して成功する為には、税理士としての基礎知識だけでは足りない時代になったと言う認識を持つ事が必要とされるのです。

2-3.選ばれる税理士になる為には?

一般企業や、どの士業にも言える事ではありますが、まずはコミュニケーション能力をしっかり身につけておくと言う事が大切です。税理士の業務を行う上では、相手は機械ではなく、人間です。依頼をする相手は、業務内容だけではなく、その税理士と言う1人の人を見ています。

現代でも見受けられますが、税理士の事を企業側が「先生」と呼んでいるのを耳にした事がある人は結構いらっしゃるのではないでしょうか?税務に関する事について教えてくれると言う観点で言えば先生なのかもしれませんが、はっきり申しあげて依頼者はお客様であり、税理士は税務に関する業務をこなす代わりに対価として報酬を貰う側だと言うだけなのです。

主役は顧問先や、依頼をするお客様であり、報酬を貰う代わりに役に立たなければならない立場だと言う事を忘れてはいけません。横柄な態度をしているようであれば、依頼者側はお金を支払うわけですから、このような時代には不向きですし、もれなく潜在顧客は他の税理士に依頼をかける事になるでしょう。

依頼をすると言う事は、税務に関する知識がないからであり、そこに少なからず不安を抱えている場合も多くあります。税理士と言えども、依頼者の立場になって物事を考え、不安を解消し、依頼者に利益をもたらす事が出来るように努力しなければ選ばれません。
もはや、税理士もサービス業だと表現できる時代なのです。税務に関する知識だけではなく、依頼者側の企業が、どうすれば成功し、上手く経営していけるのかについても、様々な観点から知識を伝え、サポートしなければなりません。また、第一印象もとても大切です。

現代は、インターネットが普及していますから、ネットのメール等を使って相談をしてこられる方もいらっしゃるでしょうし、まずは電話にて問い合わせをされる方もいらっしゃるでしょう。回答する文章や、応対する声や言葉遣いに至るまで、印象を良くするように心がける事が大切です。また、関わる以上は、責任を持って、その企業が存続しつづけ、利益となるよう税理士の枠を超えた対応力がある方が選ばれる時代だと言う事ができるのではないでしょうか。

3.まとめ

以上、税理士として資格を持ち、独立開業して成功する為の解説をさせて頂きました。

もはや、士業のような専門性が高い資格を持っていたとしても、それだけでは厳しい時代であると言う事がわかって頂けたのではないでしょうか。税理士は、資格を取るだけでも受験資格が問われますし、難易度も高めです。そして、税理士業界としては、不況であると言う厳しい現状ではありますが、ここでこそ、発揮できる自分本来の能力を活かさない手はありません。税理士は税務のプロなわけですから、従来のような税理士業務だけを行えば良いと言うわけではなく、税務に関連する様々な面からのサポートをする事によって、依頼者により良いサービス提供を行う事が可能ですし、他の税理士との差別化にも繋がります。

是非、それぞれで、ご自身の税理士としての在り等についても、考えてみてはいかがでしょうか。その結果、厳しい業界の中でも、輝いた活動を行う事が出来ると推測されます。

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