2017/09/12

司法書士開業への道~独立のための心得~

司法書士開業への道~独立のための心得~

皆さんも一度は「司法書士」と言う資格を耳にした事がある方がほとんどだと思います。一般的に多いイメージとしては、土地や建物等の不動産を購入したりする時に、その不動産が自分の物であると証明する為の登記を行いますが、この登記の時に司法書士の方にお願いする事が多いと思います。

ただ、士業と言っても、弁護士、行政書士、司法書士、社会保険労務士など、法律に関わる士業は様々に存在しています。そんな中で、司法書士と言う仕事は、どのような内容なのか?また、司法書士として独立開業をするには、どのようにすれば良いのか?ここでは、司法書士に関するあらゆる情報に関して解説をさせて頂きたいと思います。

1.司法書士ってどんな仕事をするの?他の士業との違いは

司法書士は、法律に関する資格の分野となりますが、他の弁護士や、行政書士などの同じ法律の分野の士業と、どのような違いがあるのでしょうか?

まず、1番耳にしやすい弁護士ですが、弁護士は裁判などになった場合に法廷にて依頼者の弁護人となり、相手と様々なやり取りをして勝敗をするようなイメージが強いのではないでしょうか?この弁護士が行う業務を、弁護士の資格を持つ以外の者が行うと、弁護士法違反となってしまい、法律に違反する事になります。

では、一般的に、あまりイメージしにくいと思われる、行政書士と司法書士との違いとは何なのでしょうか。

まず、業務に関する専門分野が違うと言う事にあります。行政書士の業務内容としてあげられるのは、会社を設立する為に必要な手続きを行ったり、お店を構えて営業の許可を受ける場合等の業務を行います。つまり、市区町村役場役を始めとした行政機関に出す書類の作成や、提出などです。

一方、司法書士の業務内容は、登記申請の手続きを行ったり、訴状を作成したりする業務内容が多く、それらの書類を作成して、法務局や裁判所等に代理申請等を行う業務にあたります。同じ「書士」と言っても、業務の内容が違うと言う事を知って頂ければと思います。

ただ、書士と言うだけあって、書類の作成や、提出等を行う、法律等に関わる「書」のプロと言う事は間違いないと言って良いでしょう。更に、司法書士にしか出来ない仕事もあれば、行政書士にしか出来ない仕事もあります。

例えば、上記でも紹介している土地や建物などの不動産を登記する場合に関しては、業務として法務局が絡んできます。この場合は、司法書士の資格を持っている者しか出来ませんので、行政書士が行う事はできません。また、どちらの書士でも行う事ができる業務もありますので、全く違うと言うわけではありませんが、基本的に業務の分野が違うと言う事は知識として頭に入れておきましょう。

1-1.具体的な仕事内容のまとめ

まず、司法書士の仕事内容として、ポイントを押さえておきましょう。
・不動産登記、商業登記等の登記に関する業務
・相続、債務整理、企業法務等の書類を作成する業務
・簡易裁判所で審理される140万円以下の法律事件の解決
以上の3点が、司法書士の主な仕事内容です。

弁護士の資格を持っている者しか裁判所に関わる業務を行う事ができないのでは?と言うイメージを持たれている方も多いと思われますが、140万円以下の法律事件の解決であれば、簡易裁判所が関わる業務も、司法書士の仕事としてはあると言う事なのです。つまり、弁護士と同じように、依頼人の代理をして相手方と交渉を行ったり、調停を行う事が出来る他、この範囲を超えないのであれば、裁判を起こす事だって可能だと言う事になります。

ただし、この140万円以下の簡易裁判所で審理される事件を扱うには、研修を受けた認定司法書士となる必要がありますので、ご注意下さい。ちなみに、3つのポイントの1つ目に出てきた「不動産登記、商業登記等の登記に関する業務」については、司法書士の独占業務です。その他に関しては、弁護士と重なる部分もありますし、司法書士の業務としては時に相続における遺言書の作成をする場合がある他、離婚協議書の作成や、契約書、内容証明書の作成を行う事もありますから、この辺りは行政書士の業務とも重なりが見えます。

2.まず司法書士試験に合格しよう!

司法書士は、国家資格です。まずは、この試験に合格しなければ、司法書士としての独立開業の道はありません。士業である司法書士の試験の難易度に関してですが、他の士業である行政書士や社労士などと比べると、司法書士の合格者数は最も低く、合格率としては3%~4%弱と言われており、難易度は高いと言えます。

ただし、難しいからと言って諦めるというのではなく、難しい分だけ諦めずに努力をして合格をすれば、ハイリターンを期待できる資格でもありますから、独立して開業をする為にも、目標としてまずは、この難関を突破する必要があります。司法書士の受験資格には、制限がありませんので、どなたでも受験する事が可能です。試験は年に1回のみですので、合格しなければ1年後までまた受験を待たなければなりませんから、しっかりとした試験対策と、スケージュールを管理して試験に挑むようにしましょう。取得した資格の有効期限には期限がありませんので、一度合格すれば一生有効な資格となります。

試験科目は、【憲法・民法・商法・刑法・不動産登記法・商業登記法・供託法・民事訴訟法・民事執行法・民事保全法・司法書士法】となっています。科目の名前からも、わかって頂けると思いますが、これまで法律に関する事について、触れて来られなかった方にとっては、まず、どの法律に関わる士業に関しても言える事ですが、法律用語と言うものから引っかかる可能性が高くなります。

どういう事かと言うと、普段私たちが一般的に使用している日本語とは違う、法律的な専門用語が出てくると言う事です。法律用語は言い回しとしても、どちらの意味の事を指しているのか迷ってしまうと言う方も結構いらっしゃいますし、勉強をする上でも、教材を開けばまず、読むことは出来ても、言ってる内容の意味がわからないと言う事もザラにあります。

ですから、ここはかなり多くの方が最初に挫折しやすい所という事ができますが、焦る必要はありません。司法書士となる為に、試験内容を勉強する上で、同時に必要な科目のような物だと捉えて挑んで頂ければと思います。繰り返し勉強をしていく内に、法律用語にも慣れていきますから、勉強をする前から身構えなくても大丈夫です。

なお、試験が実施されている場所については、全国の47都道府県となっており、年1回7月の上旬に筆記試験が行われ、無事に合格した方は、10月の中旬頃に行われる口述試験へと流れていきます。(口述試験については次の項目にて解説させて頂きます)また、最終的に司法書士の合格が発表されるのは11月の初旬となっています。

2-1.司法書士試験には2種類ある?

実は、司法書士になる為の試験には、「筆記試験」と「口述試験(こうじゅつ)」の2種類があります。筆記とは、お分かりのように問題に対する回答を筆記にて書き込む事で試験を受けますが、口述の場合は、「口」つまり、言葉を使って受ける試験であり、回答も自分の言葉を使います。まず、筆記試験に合格した後、法務局より「筆記試験合格通知書 兼 口述試験受験票」と言うものが届きます。つまり、どちらにしても、まずは筆記試験に合格する必要があり、筆記に合格しなければ口述試験を受ける事は出来ないと言う事です。

具体的には、口述試験自体に関しては身構える必要性は、あまりありません。

と言うのも、口述試験で落ちると言う方はほとんど居ないというのが現実です。口述試験を受けるには、筆記試験に合格する必要があると述べましたが、筆記試験に合格していると言う事は、司法書士としても知識は十分あると言う事です。つまり、口述試験では、知識的なものと言うより、司法書士として問題ないのかどうかと言う人間性を見る試験だと思って頂ければと思います。見た目の服装を始め、真摯な態度で応対する事ができれば、基本的に落ちる事はないと言う事です。

落ちる方と言うのは、よっぽどの、常識から逸脱している態度や服装などの場合などが上げられますし、基本的には口述試験を欠席した人が不合格となると考えておくと良いでしょう。また、何かしらの理由によって口述試験が不合格となってしまった場合、司法書士法の改正前までは、せっかく合格した筆記試験を再度受験し、合格する必要がありましたが、現在では、一度筆記試験に合格すれば、口述試験に落ちたとしても、再度筆記試験を受ける必要はなくなっていますのでご安心下さい。

とにもかくにも、まずは筆記試験に合格すると言う事から目標に掲げて試験対策をとっていきましょう。

3.司法書士試験に合格してから独立開業まで

ここまでは、司法試験に合格するまでの内容や、実際の業務内容について触れてきました。
では、実際に試験に無事合格し、その後独立開業となるまでの流れについてはどのようなものになるのか、総合的に見ていきましょう。

3-1.司法書士の3つの研修について

まず、司法書士試験に合格した者は、法律の司法書士法により、研修を受ける義務が発生します。最終合格発表が11月初旬となっており、研修を受ける時期に関しては、各都道府県によって違いがありますが、大体その年の12月辺りから、翌年の3月辺りにかけて行われています。ちなみに、この研修までの空いている期間に短期アルバイト等をして貯蓄をされている方もいらっしゃいますし、実際に研修が始まる前に、すでに就職をしてしまうと言う方もいらっしゃいます。

3-1-1.①中央研修

まず1つ目の研修を受けなければならない内容としては、中央研修と言い、全部で7日間となっています。中でも、前記の3日間、後期の4日間に分けられています。

「前記中央研修」
12月中旬辺り~下旬にかけて3日間行われる研修です。
場所に関しては、日本の東と西に分けられており、平成28年度の前記中央研修は、東日本が【つくば会場】、西日本が【神戸会場】となっていました。

「後期中央研修」
1月下旬に行われる研修です。
この後期中央研修に関しては、前期より場所が細かく分かれており、宿泊しなければならないリスクが少し減少します。
分けられる場所は【北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州】(※)となっています。

3-1-2.②ブロック研修

名前から推測される通り日本の各、ブロックごとによって行われます。
ブロックは(※)と同じで、日程はブロックごとによって違いがあります。

3-1-3.③司法書士会研修

この研修は通称「配属研修」と呼ばれています。実施する期間については都道府県によって違いがありますが、内容としては実際の司法書士事務所にて実務を勉強します。

以上のように、合格後にも研修を受ける義務があると言う事は頭に入れておきましょう。
また、その他の研修として、義務ではありませんが、特別研修と言うものもあります。この研修は、上記でも出てきた「認定司法書士」になる為の研修です。この研修に合格する事が出来れば、簡易裁判所の民事に関する訴訟にて、代理権を有する事ができます。

3-2.司法書士になったら、いきなり独立か、就職か?

司法書士試験に合格し、研修を終えた方や、研修前~研修中の方の多くは、いきなり独立開業ではなく、就職を選ばれているようです。実際の司法書士としての業務内容から、取引先や、顧客まで、ある程度の経験と知識、人脈などを確保してから独立される方が多いと言う事でしょう。

司法書士試験に合格した方は、就職をする事を修行の場所だと考えている人も少なくありません。就職をして、ある程度の知識や経験を身につけられた方の多くは、その後に独立をと考えている方が多い傾向にあります。

ただし、勿論の事ながら、いきなり開業される方も、中にはいらっしゃいます。

また、せっかくの司法書士試験と言う難関を突破したわけですから、有資格者の多くは、最終的に収入を多く得たいと考え、独立を選ばれる方が多いです。就職をしてからなのか、いきなり開業をするのか?どちらにしても、最終的に独立・開業した司法書士事務所を順調に経営していかなければならないと言う事が共通点として上げられます。

3-3.一般企業と変わらない努力が必要

世の中にあるどんな一般企業や、それが法律のプロである司法書士であろうとも、その会社や事務所は1つの企業として考えなければなりません。いくら法律的な知識を持っている特殊な資格を持っていたとしても、黙ってぼーっとしているようでは、お客様は来ませんし、依頼がかかる事もありませんから、当然の事ながら報酬を貰う事ができず、いずれ廃業にも追い込まれかねません。

1つの会社であると言う認識を持ち、一般の企業が行っている努力と変わらないような頑張りをしなければ集客を見込めないと言う事です。司法書士の資格を持っていると言う事だけで安心するのではなく、事務所経営をうまく継続させる為にも、起業塾に通ったり、経営していく上での知識を身につける必要があると言う事になります。

3-4.開業の形

まず、司法書士事務所を開設する場合、司法書士の有資格者は1名で良いですから、資格を持っているのであれば、単独で開業できると言う事を知っておきましょう。
では、開業をする上での形としては、どのような形態が上げられるのでしょうか。
・自宅で開業をする
・事務所やテナントなどの賃貸を借りて開業する
・共同や合同の事務所で開業する
などが上げられます。

1番リスクとして低いのは、自宅開業です。すでに住んでいる自宅で事務所を構える事ができる場合は、賃料が浮きます。実際に、賃貸として事務所を借りたり、テナントなどを借りれば、通常のアパートなどの賃料よりは割高になる事が多くあります。また、賃貸を借りていると言う事は、毎月家賃を支払わなければなりませんし、開業して軌道にのせる事が出来るまでの間に、余計な経費がかさむ事になります。

その観点からすると、賃貸を借りなければならない方の場合は、借り入れや、用意する金額も大きくなりますから、自宅で開業する事が出来るのであれば、そちらの方がリスクを大きく回避する事が可能と言えます。

ただし、自宅であっても業務の内容に合わせて、コピー機をレンタルしたり、書類を整理する棚や、デスク、応接スペースなど、様々な諸経費を考えておかなければなりません。また、近年増加しているのが、弁護士事務所などでも見られますが、司法書士事務所でも、他の司法書士の方と共同や、合同と言った形によって開業される方も多くなってきています。費用面についても折半する事ができますし、知識や経験、人脈も合わせる事ができますから、早い段階で軌道にのせる為には、少し有利だと言う事ができます。

ただし、方向性などの違いなどで、結局別の事務所を開かなければならなくなった等とならないよう、人選も重要なポイントと言えるでしょう。

3-5.開業資金について

司法書士事務所を開業するにあたって、必要となる資金についてですが、基本的には一般企業と変わらないものだと考えて良いです。

例えば、病院を開業する場合などは、検査や診察に合わせて、それぞれの機材を揃える必要がある為、比較的高額となりますが、司法書士の業務の場合は、法律に関する書類等が主となりますから、その業務を行う事ができる機材や環境を整える事ができれば、基本的に開業できます。

ただし、開業してから安定した収入を得るまでの間にかかる運営資金は見込んでおいた方が良い為、開業するだけで考えれば50万円~100万円程度あれば良いですが、軌道に乗るまでの間に発生する経費や、生活費などを考えれば300万円くらいの資金を用意しておく事ができれば安心でしょう。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

司法書士として合格をし、研修を受け、就職から開業に至るまでの一連の流れについて解説させて頂きました。司法書士になるまでにも苦労がありますが、比較的高額の収入が期待できる資格でもあり、開業して軌道に乗せる事ができれば、更なる高額収入が期待できます。お金を得ると言う事は、簡単ではありませんが、このように努力をして資格を取り、様々な過程を経た上で結果に繋げる事ができれば、達成感も更に高まります。

ポイントとしては、資格を取ると言う努力だけではなく、開業をした後も経営を順調にしていく為には、法律に関する知識だけにとどまる事なく、マーケティング能力も身に着けなければならないと言う事になります。

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