2016/12/15

ウィズアス社会保険労務士事務所:前田敏幸

ノリで会社をつくってもいい! 「士業らしくない」を強みにするウィズアス社会保険労務士事務所代表前田氏の士業論

ノリで会社をつくってもいい! 「士業らしくない」を強みにするウィズアス社会保険労務士事務所代表前田氏の士業論

チラシと飛び込み営業からのスタート


― まずは、独立されるまでの経緯について教えてください。


訳あって大学には7年ほど在籍していました。その後、ある不動産会社に入社したのですが、わずか半年ほどで退職。しばらく知人の不動産会社で新規事業の立ち上げをしたりしていました。

 

もともと学生のときに社労士や宅建の資格を所有していたので、さらに行政書士の資格もとり、29歳のときに独立したという経緯になります。


― 独立当初についてはいかがでしたか?


かなり大変でしたね。社会人経験もほとんどなかったので。もちろん、実務経験もありませんでした。ですので、まずは6万円のインクジェットプリンターを買い、Wordでチラシをつくって、飛び込み営業をしていました。自転車に乗って移動しながらです。

 

営業先はところかまわず、といった感じです。事務所から個人宅までですね。A4チラシをもって「こんなことやってます!」と声をかけながら。

 

もちろん、行政書士がどのような業務をできるのかも分からなかったので、ホームページや書籍などを見つつ、離婚や相続、会社設立、営業の許認可などの勉強をしました。その内容をもとにホームページをつくったりもしましたね。

 

そのようにして活動していると、行政書士としての活動内容がおぼろげながら分かるようになりました。

 

その後は、ホームページ制作で協力していた知人と3人でLLPという組合をつくり、組織として活動するようになりました。Webサイトに関しては、トータル3040個ほど制作したと思います。

 

あとは、もともと金もコネも経験もなかったので、いろいろな行政書士さんに連絡しては、「ごあいさつに行ってもいいですか?」などと打診をし、交流していました。そのうち交流会などにも誘われるようになり、活動の幅も広がっていくようになりましたね。


― 飛び込み営業やチラシ配りでどのくらい集客できていたのですか?


開業したのが2010年の415日になりますが、独立時の売上は月10万円ほどだったと思います。初年度としてはまずまずの数字です。ただ、仕事をとることはできても、このまま順調に売上を伸ばすのは難しいと感じました。

 

たとえば、10倍の100万円を稼ぐには、このままのスタイルでは不可能だと。それで商工会議所に入り、融資の相談をしました。すると8月には、300万円ほどの融資を受けることができました。

 

そのうち100万円を使い、合同庁舎の前に6畳の事務所を借り、顔写真入りの看板を掲げました。あとは運転資金とスタッフの雇用ですね。アルバイトで2名ほど雇いました。それらの施策によって、少しずつ集客ができるようになりました。

 

問い合わせの半分はホームページから、残りの半分はその他の施策といった感じだったと思います。もちろん写真を掲載していましたし、専門性の高い生地を書いたり、リスティング広告なども活用したりしていました。

 

その後は収益が安定してきましたので、PPC広告などの運用会社に依頼していたと思います。

― 提携なども積極的に行われていますね。その後についてはいかがですか?


事務所を出したあとぐらいに、一緒にやっていた行政書士3人で事務所を法人化しました。それまでは個人事務所でしたので。名前も「ウィズアス行政書士法人」にしました。

 

その後、個人で行っていた社労士事務所(前田法務事務所)も吸収し、「ウィズアス社会保険労務士事務所」にしつつ、新宿に支店を出したかたちです。

 

また、交流会で知り合った司法書士の方と一緒に、不動産会社もつくっています。共同出資という形態です。

 

行政書士の業務をしていると離婚や相続などで不動産取引につながることもありましたので。営業許可についてもそうですね。多店舗展開するとなると、どうしても不動産が必要になりますから。

 

さらに、社労士事務所の開設や顧問先およびスタッフの引っ越し、住まい探しなど、不動産業者としての仕事はたくさんあります。そういった部分で、既存の業務から派生した事業にも対応していました。

 

前職が不動産会社ということもあって、当時から、不動産はあらゆる分野の業務に関連すると感じていました。外国人の住まいも事務所の賃貸も、結局は不動産です。

 

そのような部分においてトータルにお客さまをサポートすることができれば、他社との差別化になると考えていたのです。

 

たとえば相続で言えば、不動産の名義変更に関しては行政書士業務ではないんです。でも、相続の相談と一緒にされることがどうしても多い。であるならば、同じグループに不動産会社があり、司法書士がいた方がスキームとしてうまく機能しますよね。


「クライアントに寄り添い、一緒に成長していく」


― 現状、力を入れている分野などはありますか?


メインとなるのは社労士としての顧問業務およびサポートですね。具体的には、労務まわりを支援しつつ、さまざまなかたちで協力させていただいています。

 

たとえば、商業登記などの司法書士業務もあわせて行ったり、スタッフの雇用をお手伝いしたり、サポートできる方を紹介したり、などです。助成金の相談も受けていますね。

 

やはり、顧問契約というかたちで携わっていると会社の状況が見えるようになります。ですので、ベターなタイミングで提案ができるのです。だからこそ、根幹としての顧問契約が重要だと感じています。

 

最近では、それほど数は多くないのですが、創業融資のサポートもしています。私が他の創業支援会社で取締役も務めていますので、その関連ですね。他にも、23社ほど役員として入っています。

― 前田さんは積極的に提携を進めていますが、提携する際のコツなどはありますか?


私自身、当初はそうせざるを得ないから提携を進めていました。もともと業界未経験ですし、社会人経験もほとんどないまま独立したわけなので。スキルもノウハウもなかったのです。

 

だからこそ、すでにノウハウをお持ちの方と一緒になって事業を展開することで、相乗効果を生み、活動の幅を広げてきたというのが本音です。やはり、売上も確保しなければなりませんから。

 

提携のコツとしては、やはり、メリットを提供することかと思います。自分と提携することで、相手にどんなメリットがあるのかを明確に示すこと。

 

もし現段階でメリットを提供できない場合には、面白みを感じていただくことが大切ですんね。将来性、つまり可能性があると感じてもらうのです。「こいつと仕事したら面白そうだな」と思ってもらえれば、スキルやノウハウがなくても、提携してもらえるはずです。

 

あとは勢いも大事ですよね。従来の士業にはなかったような柔軟性や行動力を発揮すれば、それだけで注目してもらえます。そういった自分ならではの強みをしっかりと提示することが大事なのではないでしょうか。

― 人を雇用する際のポイントについてはいかがですか?


あまり深く考えず、とりあえず採用してみることですね。

 

どんなに時間をかけて面接をしたとしても、相手のことをすべて知るのは不可能です。「いいな」と思った人があまり仕事をしてくれなかったり、「どうかな」と思った人が想像以上に働いてくれたりということが普通にありますよね。

 

ですので、とりあえず採用するという姿勢が大事だと思います。もちろん、入り口の段階で弊社の理念に共感してもらえなければダメですが。ふるいをかけるのは、その部分ぐらいでしょうか。

 

たとえばうちの場合、「クライアントに寄り添い、一緒に成長していくグループ」であることを重要視しています。その段階であまり自分に合わないと感じる場合は、さすがに採用できません。理念の共有は大事ですから。

 

あとは採用してみてからですね。理念にそった行動ができるかどうかというのは、仕事のなかで判断するしかありません。時間をかけても、深く考えてみても、完璧に判断することはできないと思います。

― スタッフにはどのような働き方を求めていますか?


やっぱり、自主的に動いてもらえるのが理想ですね。クライアントさんもほとんど経営者ですし、自ら考える力がないと厳しいですよね。ただ、理念にもあるように、クライアントにしっかり寄り添って仕事をしていれば自ずとやるべきことは見えてくるはずです。

 

だからこそ、入社の段階から理念に共感してもらうことが大事なんですね。理念に共有していれば、クライアントが抱えている課題をつねに把握し、適切な提案ができるようになります。

 

そのような視点で採用し、人材を育てれば、会社にとっても心強い存在になりますよね。弊社でも随時、人材を募集していますので、理念に共感してもらえる方はぜひご連絡いただければと思います。


どこまでも広がりのある士業という仕事


― 今後の活動や方針について教えてください。


顧問契約およびその他の依頼については、順調に数を増やしている状況です。ですので、いただいた依頼以上のものを提供できるよう、努力していくつもりです。

 

具体的には、うちの事務所がハブとなって有用な情報を提供し、クライアントさんの利益にしていただけるような企業になりたいですね。

 

とくに、私が飲食業関係の会社の役員を務めているということもあり、取引も多いので、その部分には力を入れていこうかと考えています。ただ、業種は問いません。最近では医療法人やクリニックさんも増えてきていますし。

 

労務まわりに関して言えば、得意分野ということもあり、大体の業種は対応できると思います。今後もいろいろな企業さんを相手に、価値を提供できればと考えています。

 

行政書士も社労士も、マーケット全体で考えれば、無限に広がっていくと思います。同業他社さんに関しても、ライバルとしてみるのではなく、お互いにwin-winの関係性を構築できるはずです。

 

そのような感じで、少しでも楽しみながら仕事ができればいいですね。

― 現状、力を入れている分野などはありますか?


今は、飲食店の創業を支援する会社の役員やっていることもあり、飲食店関連の取引が増えてきていますね。

 

規模についても、全体的に小規模事業者さんが多いですが、大きい企業さんともお付き合いさせていただいています。

 

もともと残業代請求の業務などでお手伝いしていたので、得意分野である労務だけでなく、労働問題などもおおむね把握しています。そのため、幅広い業種・業態・規模の事業者さんに対応できるのが強みですね。

 

お客さんに喜んでいただけるようなスキルやノウハウに関しては、仕事をする中で培われてきたものも多いのが実情です。試験勉強や書籍からの学びだけでなく、実地を通じて得てきたものというのは、そのままお客さんにとっての価値につながることが多いのです。

 

そのあたりに価値を感じていただきつつ、今後も伸ばしてければ、さらなるサービスも提供できるかもしれません。これからも同様の方針にて事業を成長させていければと考えています。

― ありがとうございます。最後に、読者へのメッセージをお願いします。


士業関連の書籍を読むと、具体的な仕事のやり方が書いてあります。でも、それは事業全体のほんの一部でしかありません。やり方しだいで、どこまでも広がりのあるものだと思います。

 

だからこそ、やりがいがありますし、面白いと思える仕事なんです。

 

たしかに私のまわりにも廃業してしまった人がいます。ですので、決して生易しい環境ではないのは事実です。資格業もサービスが大事です。相手が求めているものを敏感に感じ取り、最適なサービスとして提供していくこと。

 

その結果、クライアントから必要とされる存在になれるのではないでしょうか。

 

あとは、言われたとおりに仕事をするだけでなく、提案型の業務ができればより良いかと思います。「なぜ、それをしたいのですか?」と聞くだけで、相手の求めているものが本当に必要かどうか判断することができます。

 

もしかしたら、より良い方法があるかもしれない。より最適な手法を提案できるかもしれない。そのように、相手が本当に求めているものを探るヒアリング力を身につけることは、どのビジネスにおいても重要なことだと思います。

 

これから士業になろうとしている方、あるいはすでに士業として活躍されている方も、ぜひヒアリング力を意識してみてください。競争が激しい業界ではありますが、自分視点ではなく、つねにお客さま視点に立つことによって、価値を提供することは可能です。

 

もし、自分で実践する自信がない、もしくはこれ以上の成長は難しいと感じているのであれば、ぜひうちに来ていただければと思います。一緒に成長していきましょう。


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