2016/12/12

社会保険労務士:水野浩志

資格試験での失敗経験はゼロ!社会保険労務士水野氏がそれでも人脈を最優先にする理由とは

資格試験での失敗経験はゼロ!社会保険労務士水野氏がそれでも人脈を最優先にする理由とは

行政書士と社労士を同年に取得


― まずは、独立されるまでの経緯を教えてください。


独立する前は、薬品製造会社の工場で働いていました。業務内容としては、薬品の製造管理です。

ただ、30代のなかばごろ、腰を痛めてしまいまして。骨を移植しなければならないということで、手術をし、3ヶ月ほど入院していたのです。

手術は無事、成功しました。しかし、術後の治りが悪く、主治医からは現場復帰が不可能であると告げられまして。それで転職を考えるようになったのです。

社会保険労務士に興味をもったのは、入院中の経験が大きいかと思います。

入院していますと、商業手当金や高額療養費などの制度を利用することになります。また、退職したときには失業保険を利用するなど、社会保険労務士に関する制度にお世話になりました。それで社労士に関心をもつようになったのです。

もちろん、資格を取得して独立するのではなく、単純に転職することも考えました。しかし当時はリーマン・ショックが発生した直後。有望な転職先がほとんどなく、それで資格を取得しようと決意したのです。

勉強した順番としては、行政書士が先です。実は私、行政書士と社労士の資格を同じ年に取得しているんですよ。

行政書士資格を取ろうと思ったのが、2月~3月ぐらい。標準学習期間は半年ほどなので、11月の行政書士試験がちょうどいいのでは、と。でもその後、地域の就職相談を受けているとき、社労士の先生にお会いして、社労士試験をすすめられて。

社労士の試験は8月です。かなり悩みましたが、今から勉強しても間に合うと思い、行政書士の勉強はいったん置いといて社労士の勉強をはじめました。

その結果、8月の社労士試験に合格し、11月の行政書士にも合格できたのです。

― 同じ年に二つの資格を取得。すごいですね。会社は資格を取得してから退職されたのですか?


そうですね。体を壊して転職を検討していたとき、主治医から仕事を継続できないと言われて、私は悩んでいました。でも当時、結婚して子どもも産まれたばかりだったので、「一家の大黒柱がこのままでは良くないな」と、思い詰めてしまって……。

そのとき妻は、次のように言ってくれました。「仕事も大事だけど体の方がもっと大事。しばらくは私が稼ぐから、あなたは仕事を辞めたら?」、と。その言葉には感動しましたね。そこで私は、「じゃあ、俺に1年だけ時間をくれ」と言い、資格の勉強に専念することができたのです。

仕事だけでなく、家事も育児も妻にまかせ、死に物狂いで勉強しました。そのおかげで、行政書士と社会保険労務士という二つの資格をとることができたのだと思います。

資格を取得したときは、まだ会社に籍が残っていたので、「資格も取得しましたので、やはり、会社に置いていただけませんか?」と、交渉もしました。しかし断られてしまい、退職することになりました。

― 退職後についてはいかがですか?


行政書士と社労士の資格を同じ年にとる人はあまりいません。ですので、その噂を聞きつけたいろいろな会社からオファーをいただきました。それこそ年金事務所や資格予備校、地元の労働局などさまざまです。

ちょうど幅広い経験を積みたかったので、オファーをいただいた仕事を掛け持ちすることにしました。2年ほどだったと思います。もちろん、開業の登録もしていましたが、当時は他の仕事をする時間に追われていましたね。

具体的には、労働局で「パートタイム労働法」について指導する仕事を。年金事務所では年金窓口の相談員を。資格の学校では行政書士講座を担当していました。

実は私、これまでに受けた資格で落ちたことがないんですよ。FPや危険物などももっているのですが、すべて一発合格で。そのような経験を活かし、試験に受かるためのコツなどを伝授していました。

また、5ヶ月ほどではありますが、社労士事務所でも働きました。当時の幅広い経験が、今の仕事にも活かされていると思います。


どんな誘いでも断らない


― その後、事務所を開設し、独立されたのでしょうか?


そうです。開業当時はお客さんもいませんでしたが、行政書士講座で受け持った生徒さんを雇用するなど、形から整えていった格好です。

集客や営業活動については、商工会議所に所属していたこともあり、紹介をいただくというスタイルが基本でした。今年で改行から4年になりますが、ほとんど営業活動をすることなく、紹介だけで安定的に売上をあげることができています。

― 事務所としてはどのように成長してこられましたか?


とくに社労士の仲間に支えられた部分が大きかったと思います。地元にも社労士の会がありますし、東京でも研修などがあります。そういった場において少しずつ人脈を形成し、お互いに良い関係性を構築できています。

中でも高額の研修などは、内容も濃いものが多いですし、なにより意識が高い人がたくさん参加しているのでオススメです。そういった場所で出会った仲間というのは、中長期的なつながりに発展することが多いのです。

活躍している人、意識が高い人と定期的に交流し、情報交換をしていけば、事務所を成長させるためのヒントを得ることができます。私自身、まだ開業して浅いこともあり、相談できる相手がいるというのは大きいですよね。

私の事務所は富山にあるのですが、やはり、情報のスピードは東京の方が圧倒的に早いです。しかし仲間がいることによって、地方にいながら最新の情報を入手することができるのです。

また、お客さんから自分には手に負えない案件を相談されても、仲間がいれば紹介にまわすことができます。そのようにして、お互いに仕事を打診しあえれば、双方だけでなくお客さんに対してもメリットを提供できますよね。

あと、私の性格なのですが、基本的にどんな誘いに対しても「行きます」「やります」と積極的に応じています。それが結果的に、次の仕事や事務所の成長に寄与しているのかもしれません。

事務所のスタッフは現在で7~8人になりますが、今後はさらに成長していきたいと考えています。

― 人脈を広げるコツのようなものも、そのあたりにあるのでしょうか?


やはり、誘いを断らないことが大事ですよね。たとえ断るにしても、代わりの日にちを提案するなどの前向きな姿勢がほしいところです。一方的に断り続けていれば、いずれは誘われなくなってしまいますので。

私の場合、子どもの児童クラブでも、消防団でも、なんでも断らずに引き受けています。その結果、つねにいろいろなところから声がかかるようになっているのです。もちろん、計算してそうなっているのではありませんけどね。もともと断るのが嫌いな性格なので。

― 現状、どのような想いで事業をされていますか?


やはり、世の中に対して、いい会社を増やしていきたいという想いはありますね。その結果、笑顔があふれる社会を実現したいと思っています。いい会社を増やせば、そこで働く社員も幸せになりますし、いわゆるブラック企業は減ることになります。

そもそも、会社を悪くしたいと考えて事業をしている経営者はいません。ルールを知らないために、結果的にブラック企業が生まれてしまっているだけなのです。そういった部分の啓蒙を、私たちができればと思います。

お役所仕事みたいにやるのではなく、前向きな提案というかたちで進めていくことが大切です。たとえば行政書士の仕事として、助成金を活用するためのアドバイスをしつつ、会社を健全にすることが可能です。

そのように、会社そのものを元気にし、社員が働きやすい環境をつくり、自然と売上があがるようにしていく。そうすれば、社内にも笑顔があふれると思います。そのようなお手伝いができれば理想的ですね。

― 会社の中から良くしたいという想いは、ご自身の経験から生じているものなのでしょうか?


それもありますね。私なりの「人生の理念」というものがありまして、それは「感謝と信頼と成長」なんですね。

感謝とは、お客さんへの感謝だけでなく、働いてくれているスタッフやお互いに協力している仲間、あるいは家族も含めて感謝をするということです。その証拠に、スタッフだけでなく、スタッフの家族も飲み会や社員旅行に参加してもらっています。

2つ目の信頼については、お互いがお互いに信頼できる関係でいられるように努力する、ということです。誠実に仕事をし、ともに良好な関係を築いていく。もちろん、お客さんに対しての信頼も欠かしません。

3つ目の成長とは、私自身が研修好きということもありますが、自分自身の成長だけでなく仲間の成長も応援したいという気持ちがあります。みんなで助け合いながら、お互いに成長できるのが理想ですね。

自分自身も伸び、仲間も伸び、お客さんも伸びる。そのような環境を構築できればと思います。

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