2016/07/06

過払い金請求 20年6月まで

司法書士と弁護士 『過払い金の境界線』

司法書士と弁護士 『過払い金の境界線』

司法書士と弁護士の債務整理業務における境界線について解釈が曖昧なままでしたが、最高裁第1小法廷2016年6月27日判決により、借金の額が140万円を超える場合、司法書士は訴訟代理人を務めることができないことが確定しました。今後、認定司法書士が取り扱える債務整理は、債務者1社あたりの借金総額が140万円以下の過払い金返還請求と任意整理のみになります。

140万円の「利益」か、140万円の「債務」か


 これまで日本司法書士連合会(日司連)では、依頼者が受ける「利益」が140万円以下であれば担当できるものと主張していました。和解が成立した時点でわかる、弁済計画の変更による経済的利益の額で決められるというものでした。これに対し日本弁護士連合会(日弁連)では「債務」の額で決まるものと主張していました。

 この140万円の解釈が問題になる背景には、2007年6月7日に最高裁が過払い金の返還訴訟にて、グレーゾーン金利を違法と判断したことがあります。以降の「過払い金返還バブル」につながっていきます。

 そもそも認定司法書士の訴訟代理権は簡易裁判所管轄の事件に設定されているため、請求額が140万円を超える場合、簡易裁判所の管轄ではなくなります。そのため、司法書士が業務を受託することはできません。

 2012年以降、過払い金返還請が激減しているため競争は激化していました。今回の最高裁判断以降、司法書士が債務整理を受託する機会は大幅に減るものと予想されています。

※2002年の司法書士法改正(法律第33号)により、所定の研修を修了した後に簡裁訴訟代理能力認定考査に合格して、法務大臣から認可を受けた司法書士は認定司法書士になれます。これにより認定司法書士は弁護士の独占業務であった債務整理の代理業務を行えるようになりました。

「債務整理」とは何でしょうか?


債務整理とは、借金を整理する方法の総称です。債務整理の方法には「自己破産」
「個人再生」「任意整理」「特定調停」があります。

1.自己破産:地方裁判所管轄

裁判所に申し立てることによって、現在ある借金をすべて処分する手続きです。返済することが出来ない状況に陥ったことが認められれば面積決定が下り、借金を返す必要がなくなります。

自己破産すると、10年以内は信用情報機関に載ることになります。
また、以下の資格は一定期間制限されます。

弁護士、司法書士、税理士、公認会計士、弁理士、公証人、宅建建物取引業者、証券会社外交員、生命保険募集員、損害保険代理店、建設業者、警備員、古物商、質屋、風俗営業者、後見人

司法書士:書類作成代理人
弁護士 :代理人

2.個人再生:地方裁判所管轄

裁判所を介して借金を減額してから、その借金を基本的に3年で返済していく方法です。個人再生手続きは、自己破産では処分されてしまう住宅などの資産を残したまま整理する(住宅ローン特則)ことができます。個人再生手続きは債務整理の中でも最も難しいです。

自己破産とは違い、返済を継続できる収入が必要となります。住所氏名が「官報」に掲載されます。また、住宅ローンを除く総債務額が5000万円以下でなければなりません。

司法書士:書類作成代理人
弁護士 :代理人

3.任意整理:地方裁判所管轄(訴額140万超)もしくは簡易裁判所

裁判所を介さずに、認定司法書士または弁護士が債務者の代理人として、債権者と個別の連絡を取り、返済方法などを交渉し和解を進めていく手続きです。
借金の減額や分割での支払い、将来の利息などを交渉しますが、最近では「過払い金」も併せて請求する場合が多いです。

任意整理すると、信用情報機関に任意整理をした事実が登録されるため、新たなローンやクレジットカードの作成などが制限されます。

司法書士:代理人(1社140万以内)
弁護士 :代理人

4.特定調停:簡易裁判所

簡易裁判所に、借金の返済が滞りつつある債務者が調停の申し立てをして債務整理をしていく方法です。債権者と債務者の間に調停委員を置き、返済条件の軽減などを債権者と交渉します。任意整理との違いは、裁判所が債権者と債務者の間に入って債務整理難を作成すること。手続きが比較的容易なため、弁護士や司法書士に頼まなくてもやりやすい。原則として本人が行います。

特定調停も、信用情報機関に特定調停した事実が登録されます。また、調停成立後
支払いが滞ると、給与の差し押さえをされる可能性が高くなります。
認定司法書士を使うメリット・弁護士を使うメリット

債務整理及び過払い金における報酬の上限に関して、日本司法書士連合会と日本弁護士連合会がそれぞれの報酬に上限規定を設けています。司法書士と弁護士の報酬規程にはほとんど差はありません。

司法書士は、定額報酬上限(1社5万)
弁護士は 、解決報酬上限(1社2万)+着手金(上限なし/平均2万)

上限が同じものは以下の3つ
債務の減額報酬        10%
過払い金回収報酬       20%
過払い金回収報酬(訴訟の場合)25%

借金が140万円を超える場合や自己破産・個人再生の申し立てを検討する場合は、司法書士は代理人になれないため、弁護士に相談することになります。

しかし、司法書士は過払い金報酬額が低めに設定されている所や減額成功報酬を取らないところも多いので、債務総額が140万以下であることがわかっている場合に依頼するメリットがあります。

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