2015/06/22

【第2回】地方で突き抜ける士業になるための極意!~士業界の常識は非常識?~

【第2回】地方で突き抜ける士業になるための極意!~士業界の常識は非常識?~

売上と成果の勘違い


私のメイン業務である社会保険労務士という仕事は、企業が取引の相手です。
企業が取引相手であるということは、たくさん企業がある地域に立地するほうが有利なように感じます。しかしながら、たくさん企業がある地域には、社会保険労務士もたくさん開業しています。それだけ競争が激しいということです。田舎では企業数が少ないのですが、社会保険労務士の開業者数も少ないので、競争は同様に存在します。
 
競争の倍率が都会も田舎も一緒だとすれば、大きく異なるものが移動距離だと考えます。都会では、小さなエリアにたくさんの企業が存在します。高層ビルであれば、ビル内に数多くの企業が入居しています。すなわち、短い移動距離の中に、関与先や見込み客が存在しており、効率よく関与先回りや営業活動が行えます。
一方、田舎になればなるほど、移動距離が大きくなってきます。移動距離が大きくなると、業務効率や営業効率が悪くなります。
 
さらに、田舎に行けばいくほど、企業規模が小さくなるということも地方営業の難易度をあげます。企業規模が小さいということは、経済も小さくなることを意味します。すなわち企業からすれば、当社の利益は少ないのだから、社会保険労務士の顧問料も安くて当然と考えます。現実的には、社会保険労務士ごときに大切なお金はたくさん出せないと考えている節もあります。私は、営業のへたな、自分自身の価値を伝えることのできない同業の諸先輩方が、このような固定概念をクライアントに植え付けてしまったと考えています。
 
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それが、その地域での慣習となり、いつの間にか、社会保険労務士の料金は安いもの。当然に税理士よりも安いもの。だから税理士よりも安い顧問料でなければ契約はできない。それが当たり前だと、クライアントは感じているように思います。
 
税理士業界の競争が激化し、アウトソーシング業務の単価はかなり安くなってきているようです。ただし、アウトソーシングであれば、業務ソフトのレベルアップや電子申請のプラットフォームが整備され、工夫次第で値下げ分をカバーできると思います。
 

ところが、社会保険労務士業界は、コンプライアンス順守が厳しくなり、規制は増えています。したがって、ちょっとしたことで高額な金銭支払いが必要なトラブルに発展する事案がかなり増えてきています。すなわち、労務管理ノウハウの提供の難易度が高くなってきているのに、依然として低価格で業務を受ける社会保険労務士は数多くいます。「社会保険労務士だから、報酬は安くていい。」などと、嘆かわしい言葉を発する諸先輩方が、まだまだたくさん存在しています。
 

もう、このような考えは捨てなければなりません。薄利多売で売り上げが上がっても、利益が少ないので次の展開に移ることが大変になるからです。次の展開に移ることができなければ、クライアントサービスは停滞し、その結果、「社会保険労務士を頼んでも何にもならなかった。」と言われてしまうのです。
 
ところで私の住んでいる宮崎県は、総人口が112万人であり、仙台市の107万人に近い数字です。人口112万人は、全国で36番目となります。人口密度は、面積1キロ平方メートル当たり144人であり、全国で39番目です。
個人ベースでみると、1人当たり県民所得は220万円であり、全国で45番目です。一人当たりの預金額は247万円で、全国で46番目です。
なんとなく、経済基盤が弱い地域に開業していることがわかりますよね。
企業数では、宮崎県内に14786社あります。宮崎県内の登録社会保険労務士数が219人ですから、社会保険労務士一人当たり67社に関与すると、宮崎県内の企業に対する社会保険労務士の関与率が100%になります。
 
現実には、67社をはるかに超える関与先を持った社会保険労務士と、67社に遠く及ばない社会保険労務士に大別されます。
このような状況下では、値段を下げれば顧問契約が受注できることもあります。たとえば、5千円でも顧問料がもらえると、仕事ができる気になってしまうのです。過去には、50人規模の企業の労務顧問、手続、給与計算業務の受諾を、「月額1万円でします。」と営業をかけていた社会保険労務士がいました。私には、まったくその行動が理解できません。もし1件もクライアントのない社会保険労務士であったならば、これを1万円で受注できたらむちゃくちゃ喜んだでしょう。でも、この感覚がおかしいことに気が付かないと、業界を壊してしまうのです。
 
田舎では、実家が農家であれば、食べるものにも住むところもある状態で生活ができます。配偶者が公務員や看護師なので、生活費には困りません。したがって、開業社会保険労務士が、このような環境に置かれていると、例え収売り上げがなくても生活ができてしまいます。でも、お金を少しでも稼がないと周りの目がだんだんと厳しくなってくるため、どんなに安い金額であれ提案してしまうのでしょう。つまり、ダンピング営業が亜tくぁり前になるのです。
 
先達の社会保険労務士達のこのような行いが、社会保険労務士の価値を下げてしまったと感じます。つい先日も、2社で130名超の企業から顧問契約変更のオファーがありましたが、現在は手続き込みの顧問契約を月額3万円でお願いしているということでした。従業員の入れ替わりが非常に激しい業界に属する企業でしたので、この金額は驚きでしたが、企業側の言い分としては、「今の社会保険労務士が丁寧な仕事をしてくれない。」と不満を漏らしていました。でも根本的には、別の問題があるように感じます。
このような考え方が世の中に蔓延すると、業界が壊れてしまいます。
ぜひ、社会保険労務士の価値を認識し、安かろう、悪かろうの仕事をしないことです。

① 多くのクライアントが士業の必要性を感じていない


「社会保険労務士が何をしてくれるかわからない。」「何かお願いすると、すぐにお金が発生するでしょう。」など、社会保険労務士に対して、ネガティブな発言をされる経営者が多いように感じます。
正直なところ、仕事が適当で、高い料金を取っている社会保険労務士がごろごろしているような気がします。つまりは、クライアントが納得している金額で受注していないということです。つまり、クライアントが求めていないものを押し売りしているともいえるでしょう。不要なものであれば、要らないので契約解除されます。もしくは、あればいいかもレベルでは、支払金額を減額するように交渉されるでしょう。
クライアントの望みは、その時々に応じて異なります。あるクライアントは、「助成金申請を成功させたい。」と言い、他のクライアントは、「労使トラブルを穏便に解決したい。」と言います。
すなわち、クライアントの望みを聞き出すスキルを身に付けることで、適正価格で受注でき、クライアントとも良好な関係が築けるものと考えます。

② 必要性を感じないから叩かれる


あなたは不要なものを高いお金を出して買いますか?
普通の人は買いませんよね。
あなたは見込み客に対し、あなたを使う必要性やメリットをしっかり伝えていますか?
売れない社会保険労務士は、押し売りが大好きです。とにかく顧客化しようとして、自らの適正価格を下げて提案してしまいます。
あなたを使う必要性やメリットをしっかり伝えていないので、自らの価値を下げ、ダンピングすることでしかクライアントを顧客化できないのです。
実はここに落とし穴があるのです。安くてもお金が入ると、成功した気分になってしまうのです。
安い金額で少ない利益では、成果は上がっているといえません。やはり、適正価格で、適正な利益を得ることで、確実に成果を出すことができます。
値段に合わない仕事は、私たちの業界を貶めます。

③ 士業の無料相談会が自らの価値を下げる


多くの士業が無料相談会をしています。果たしてそれが士業の発展に役立っているのか疑問に思っています。
社会保険労務士会も例外なく、社会保険労務士月間や各種イベントにおいて日本全国で無料相談会を行っています。
このように、無料相談会を行うということは、自らの知的財産であるノウハウは無料もしくはお金を払う必要性がないものですよと公言しているようなものです。
さらに私の経験からですが、無料相談に頼る人々は、私たちの知恵にお金を払う価値があるとは思っていません。行政窓口と同じ感覚でいるのです。最悪の場合には、無料相談に乗ってくれた相手に対して、損害賠償請求を仕掛けてくる人もいます。その結果、PL保険に加入していないと無料相談の手伝いもできないのです。
ボランティアなのに、何かおかしいと思いませんか。私はおかしいと思います。社会保険労務士の中には、自らの職業は社会に対するボランティアであるといっている人が少なからず混じっています、
特に年金を受給しながらボケ防止のために社会保険労務士っぽいことをしている人や労働者の味方を気取っている先生方に多いように感じています。
結論としては、無料相談とは、解決の糸口を確認するところまでであることを相談相手に伝える行為であることを認識することです。なぜなら、社会保険労務士の手続き業務では、行政が必ず答えを持っていますので、「●●年金事務所の××窓口で相談してください。」と教えてあげればいいだけです。「それでもお困りの時は…、□□までお越しください。有料ですが、ご支援できます。」とはっきり伝えることですね。
こんなことを書いていると、業界のお偉さん方から怒られそうですね。「無料相談は何のために行うのですか。」とそのような先生方に問いかけると、ほとんどの先生が「業界の知名度を上げるため。」と答えると思います。私は、このような考えには賛成できません。
やはり、自分の事務所の発展を通じて業界に貢献すればよいと思います。したがって、私は、業界が行う無料相談には効果がないと考えてしまうのです。

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