本誌の歴史とともに、4年間の士業シーンを振り返る

FIVE STAR MAGAZINE × 士業のミカタ

FIVE STAR MAGAZINEは2011年の創刊以来、リーガルサービスを向上し、多数のクライアントの支持を集めている士業事務所を取材しています。全国指折りのトップレベルのリーガルサービスはどのようにして生まれるのか。事務所経営の最前線をリポートします。

本リポートはBESTFIRM MAGAZINE、2016年5月号に掲載しています


新・発行人 ライフアンドマガジン株式会社 榊原陸

司法書士法人を母体とするベストファームグループ(代表・斉藤浩一)を発行元とし、2012年5月の創刊以来、第32号を数えるに至った『BESTFIRM Magazine』。
5年目を迎える今号からは、従来より本誌の編集・制作に携わってきたライフアンドマガジン社(代表・榊原陸)に発行元を変更し、誌名も新たに生まれ変わることになりました。
発行人交代のご挨拶に代えて、新旧の発行人による対談で、4年間の士業シーンを振り返ります。(編集部)

■経営と営業が未分化だった

榊原 4年前の創刊の時、斉藤さんからいただいたコンセプトが「士業の経営誌」というものでした。

「どの業界を見ても経営誌があるのに、士業界にだけはない」と話をされていて、そこに挑戦することに面白みを感じたことを覚えています。でも、この業界でそうした雑誌が成り立つのかなと思ったことも事実ですね。その頃のことを憶えていますか?

斉藤 当時は、震災(=2011年3月の東日本大震災。福島県を本拠とするベストファームグループも大きな影響を受けた)から1年が経って、

福島県がこれからどうなるのかも

よくわからない時期でした。本業も課題が山積みだったのですが、何か他にできることはないかと思っていたのですね。

でもやっぱり私がやれることは、経営しかありませんでした。事務所経営に注力してきたから、そこにしか強みがない。弊事務所には、他の事務所に比

べて特別に秀でている何かがあるわけではありません。ただ、複数の資格にまたがるサービスをワンストップで提供したり、事務所を店舗型にしたり、時には従来の士業の業態を大きく変えながら経営をしてきました。そうしたことは、すべて手探りで行うしかありませんでした。業界で参考にできる情報が限られていたからです。

榊原 創刊当時は、士業経営のネタを探すのも一苦労でした。

斉藤 そうしたことがタブーとされる時代でしたし、広告が禁じられていた時代が長く、経営という概念もなかったから、経営も広告もどうやってやればいいのかを自分たちで考えていかなければならなかった。だから、同業の皆さん向けに雑誌をつくるのであれば、やはり経営の情報が欲しいと思って、「士業全般の経営誌」というコンセプトを考えたんですね。

榊原 当時は、「経営」と「営業」が渾然一体となっていて、未分化のまま語られる時代だったのかもしれません。もしあの時、「営業」をテーマにした雑誌にしていたら、結局は各士業ごとの雑誌になっていたと思います。でも、「経営」をテーマにすると、全士業共通の課題が見えてきました。

斉藤 経営で考えると士業は皆同じビジネスモデルですからね。売っている商品が違うだけです。

榊原 私はそれをわからず作り始めて、最初の頃は、なるべくマーケティングの分野ですぐに成果が生まれるような情報を載せていきたいと思っていたのですが、すぐに限界を感じました。深堀りすればするほど、広げられないんですね。それで、自然と「経営」を中心とした話にシフトしてきました。もちろん、営業面の事例はこれからもどんどん紹介していきたいと思っているのですが。


前・発行人 ベストファームグループ 斉藤浩一

■ワンストップサービスの拡大

榊原 『BESTFIRM Magazine』は士業が総合事務所になっていくだろう未来を前提にした雑誌でもあったのですが、4年が経って、ワンストップ化は進んだのか、進んでいないのか。どう思われますか?

斉藤 進んでいると思います。以前より、多くの事務所でワンストップサービスを提供するようになっていると思います。税理士は、社労士、行政書士をワンストップにしてサービスを提供している事務所がほとんどです。司法書士事務所には、土地家屋調査士、行政書士が一緒になっています。

それに先日、森・濱田松本法律事務所(東京都千代田区)が会計事務所を設立したのは、大きなニュースですね。これから法律事務所も、遅かれ早かれ税理士業務を行うかたちになっていくのではないでしょうか。

榊原 今後、法律事務所にどのような動きがあるのか、注目ですね。

斉藤 法律事務所のマーケットは、まだ専業でいられる状態なのです。今はライバル事務所が弁護士業務だけをしていますから、他の分野に手を広げる必要はなくて、ワンストップではなく特化をする事務所が多い。でも、そのうち先進的な事務所がワンストップサービスを始めて成果が生まれてくれば、他の事務所も追随せざるを得なくなると思います。

■トップ300事務所を目指す

榊原 もうひとつ強く印象に残っていたお話が、「全国に300の一番事務所」という考えでした。後で驚いたのですが、昨年、本誌の「事務所規模ランキング」の企画で調査をしてみたら、資格者や職員をすべて合わせて50名以上の規模を持つ事務所は、全国に200件だったんです。それでもその中に捉えきれていない事務所もあるだろうし、これからも増えていくだろうと考えると、見事に

符合しましたね。

斉藤 300件というのは、福島県の商圏を考えて全国に引き直したときの単純な計算だったのですが、今年のランキングには何事務所が載りましたか?

榊原 220件まで増えました。50名以上の事務所が220件あったということですね。

斉藤 今年のランキングを見ていると、思ったよりも人数が増えていない事務所もあります。それを見ると、一生懸命やっていても、やり方を間違えると伸びられないものなんだなと思いました。

一方で、適正な成長率以上には伸ばさないと言っていても、良い仕事をして紹介が増えるから、それ以上に伸びている事務所もありますね。やはり、良い事務所なら普通にやれば伸びていくのだと思いました。

榊原 今後の全体的な傾向として、事務所規模が大型化していくのは間違いないのでしょうね。

斉藤 それは士業に限らず、どの業界も同じで、やはり一番にならなければ勝ち残れないということは明らかです。

榊原 そして、その「一番」は業種ごとの順位ではなく、士業全体での争いになってくるということですよね。

斉藤 そういう風になってきていると思います。例えば相続は、弁護士や司法書士だけでなく、行政書士も税理士もしています。それならお客様はどこに頼むのかと考えると、何の事務所であっても、お客様にとっては条件は同じなんですよね。

■地域一番事務所

榊原 斉藤さんは、「この4年間で戦い方が変わってきている」という話をよくされていますね。

斉藤 4年よりも前から、どの士業でも地方展開が始まっています。ただ、全国展開をしているのは単独の士業事務所です。本当なら、ワンストップで展開した方がやりやすいはずです。ただ、商品を揃えて、それぞれに集客するノウハウを持っていないと、それはできません。

榊原 今、そこに挑戦しているのがベストファームグループですね。先日、久しぶりに郡山のベストファームモール(ベストファームグループ本店)に行って驚いたのは、チラシの種類と量でした。商品それぞれにチラシが用意されていて、あれだけの量になる。取材で様々な事務所を拝見している中でも、あの量は圧巻でした。

斉藤 地方で、何をもって「他と違う」とお客様に認識されるかといえば、ひとつは情報の量だと思います。

榊原 どんなに頑張っていても、お客様に知っていただけなければ一番とは認識されません。圧倒的な情報量があって初めて、一番事務所と認知されるわけですね。


ベストファームグループ斉藤浩一(写真右)
1984年、福島県石川郡石川町に事務所を開設。現在、『BESTFIRM MALL暮らしと住まいの情報相談モール』(福島県郡山市)を中心に、福島、東京に計4事業所を展開。従業員数約145名

■これから必要が増す経営情報

榊原 最後に、これからの士業経営のトレンドはどうなっていくと思いますか?

斉藤 やはり、事業承継でしょうね。数百人、千人規模の大手事務所がどのように事業承継していくのか。グループに上場会社を持っていれば、そこが継続する形を取っていくと思います。

そういう方法が取れる大規模事務所がある一方で、50人や100人の事務所がどのように承継していくのか。それは合併になるのかもしれませんし、あるいは、衰退してなくなってしまう事務所も出てくるでしょう。これからは、そういう時代になっていくのだろうと思います。

榊原 その点はこれから、大きな動きがありそうですね。

斉藤 だから士業には、これからますます経営が必要になってくると思います。今までは業界全体が商品を売ることばかりを考えていたように思います。でも、次のステップでの課題は「どのように事務所を継続して、経営していくのか」ということになるのではないでしょうか。しかしそこに行き着くまでに、まずは事務所をどれだけ収益の上がる体質に変えていけるかが鍵になると思います。

榊原 何にせよ、まずはそこですよね。売上があれば多くの問題は解決できますからね。

斉藤 そうです。例えば「残業をなくす」と言っても、良い商品、売れる商品があることが前提で、売上が上がっていなければ残業もなくすことは難しい。

さらに言えば、商品を売るためには、商品なり、事務所なりがしっかりと差別化されていなければなりません。そうでなければ、広告だって打てません。

榊原 そこが士業の難しいところですね。

斉藤 士業の商品は皆同じで、他事務所と変わりません。そのとき、どうやって差別化するか。弊グループでは、業態を変えることで差別化できると考えて取り組んでいます。

榊原 差別化する部分は、従来の士業が提供していたサービスの枠ではなかったりします。そういうことにもトライしていかなければならないとなると、これからはまさに経営が必要になるのですね。

斉藤 そうですね。ですから、これからもますます良い情報を集めて、発信してください。

榊原 はい。今日いただいた話を新たなミッションとしていきます。これからの誌面にご期待ください。

FIVE STAR MAGAZINEについて

FIVE STAR MAGAZINEは、弁護士、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士の士業事務所が抱える経営課題に焦点をあて、多くの成功事務所の成功事例を中心に、有益な情報を全国の士業事務所の皆様へお届けする、業界唯一の「事務所経営の専門誌」です。FIVE STAR MAGAZINEは、「ビジネスの成長」「顧客満足」「従業員満足」「業界発展」「社会貢献」を達成し、五つ星を目指す事務所を応援します。

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